循環取引の基本

「循環取引」という言葉を耳にすることがあるが、
実際のところどんな会計操作なのかよく知らなかった。

恥ずかしいので、実際に仕訳を切ってみた。

典型的な3社間の循環取引。

取引のスキームはこんなイメージになる。

簡単のために、できたばっかりのA社、B社、C社で考える。

Excel上で考えたので、キャプチャを貼る。
じっくり読んでみてほしい。

2サイクル目。

ここまでで2サイクル終わり。
最後に手形決済。

以上。

最後の残高を見ると、B社はPL上も損をしているし、現金も減っている。
B社が循環取引に加担する動機が無いじゃないかと思うかもしれないが、
B社が循環取引をする動機には資金繰りがある。

上記仕訳では手形決済を最後に一斉にやったが、
もしB社が資金繰りに窮している会社の場合、最初にA社に製品を販売したことにして貰った受取手形を、即割り引いて現金化するだろう。
つまり、割引の金利分、損をすることになるものの、
さしあたっての現金を手にすることができる。
そのために必要なのは、架空の売上を計上することだけだ。
ここにB社のメリットがある。

B社は、循環取引のスキームとしても現金が減るし、手形の割引金利によっても損をするので、
B社は少しづつ確実に弱っていく。
いずれは破綻するだろう。

それに対して、A社・C社のメリットは、PLを太らせる(売上を多く見せかける)ことだ。
A社・C社は、循環取引のサイクルとしては損はしない。

しかし、B社が破綻すれば、B社宛の手形を持っているC社の受取手形も無価値になり、C社も危なくなる。
そうなれば、C社宛の手形を持っているA社も危なくなる。

結局、真綿で首を絞められ、最後に爆発して会社を破綻に導くのが循環取引だ。

なお、この知識は下記の本の受け売りです。
小説仕立てで読みやすい。
但し、読もうとすればスイスイ読めるけど、取引の解説はよ~~~く繰り返し読まないと、やはり理解するのは難しい。
じっくり読みましょう。

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