誰も教えてくれない人を動かす文章術 斎藤孝 感想
誰も教えてくれない人を動かす文章術 |
私は高校の時に、読書感想文で賞を貰ったことがある。
1学年500人の中から一人だけ貰える賞だったから、とても嬉しかったことをよく覚えている。
文化祭の時に図書室に全文が掲示され、友達から「読んだよ」と言われ、また嬉し恥ずかしだった。
しかし、社会人になってこうやって最近ブログを書くようになり、高校の時の文章を書く勘が失われていることに気付いた。
とにかく書けない。
事実を突き詰めていくような文章ならまあなんとか書けるのだが、
本の感想なんかはとにかく書くのが苦しかった。
書けるようになりたいので、こうやって練習のつもりで、本を読むたびに文章を書いていた。
何が自分のスキルから抜け落ちてしまったのだろう?とずっともがいていたのだが、
この本を読んで、高校生の時の「勘」はこれだったかもな、というのを思い出した。
それは、「全体ではなく、1点について書くこと」だ。
何かを書くとき、全てを伝えようとしたらいくら文字数があっても足りない。
本の全てを伝えるなら、文章など書かずに、その本を買って渡してあげた方が楽だ。
そうではなくて、何かを書く時には、1点に注目して書く。
本の感想を書くのなら、1つのセリフ、1つの文について書く。
そうすると、とたんに対象が明確になり、スラスラと書けるようになる。
少なくとも、キーボードの前で思考が固まって手も止まってしまったまま何十分も過ぎてしまう、なんてことは起こらない。
1点について書いていくうちに、書いている世界がだんだんと広がっていくこともある。
この本を読んでこの勘を思い出し、文章を書くことが怖くなくなった。
素晴らしい本。
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